スプラ機動論
10月になりましたね。
本記事ではブキの機動性の考察から、スプラトゥーンにおける機動って何なの?というところを書いていこうと思います。
ブキスペック「機動性」って何?
人速説
スプラトゥーンのブキの中に、「機動性」の説明がなされているブキが複数種類存在している。
例えばスプラスピナーの機動性は90/100とされ、ブキの中では最高の機動性を誇る。
同じスピナー系統のハイドラントの機動性は20/100、バレルスピナーは50/100なので、スピナー種だけに注目すれば人速の乗りが関係してるのではないかと考えられる。
対面性能説
スプラスピナーと同等の90/100の機動性をもつとされているブキにクアッドホッパーがある。
先ほどのスピナー種の考察をもとに人速の乗りの高さをみると、非射撃時の人速は0.96、射撃時は0.72とある。
同じマニューバー種のスパッタリーの機動性は80/100だが、スパッタリーの非射撃時の人速は1.04、射撃時は0.8となり人速の乗りはこちらのほうが高い。
マニューバー種まで考慮すると、「機動性=人速の乗り」という見方は誤りであると判断できる。
別の観点として、基礎的なステータスの乗りだけではなく、スライド回数や射程も考慮した対面性能の強さの指標ではないか?
イカ研が適当に書いた説
14式竹筒銃の機動性は80/100。
ソイチューバーの機動性は70/100。
スクイックリンの機動性は60/100。
スプラチャージャーの機動性は40/100。
チャージ時間、射撃フレームなど考慮すると上記の対面性能説と整合性が取れない。
機動性の説明があるのはスピナー・マニューバー・チャージャー系統に限られている。
他の系統では、シューター・ブラスターには「連射」、スロッシャー・フデ・ローラーには「軽さ」、シェルターには「耐久」の項目が割り当てられている。
機動性を移動速度や対面性能と捉えるならば、「機動性項目を割り当てられていないブキ=機動性に欠ける」ということは考えにくい。
特にパブロの移動や雷神ステップボールドマーカーの俊敏性は群を抜いており、より機動的な立ち回りが可能であると思われる。
結局、機動性とは一体何かという問いに、筆者はゲーム内から筋の通る結論を導くことはできなかった。
次節では軍事学の観点から考察を加えていく。
軍事学から導く機動性
戦いの原則
1920年代に英陸軍J・F・C・ミラー少将が体系化し、今日では米陸軍の教範に受け継がれている戦いの原則について紹介する。
* Objective(目標)
* Offensive(攻勢)
* Mass(集中)
* Economy of Force(兵力の節用)
* manuever(機動)
* Unity of Command(指揮の統一)
* Security(警戒)
* Surprise(奇襲)
* Simpricity(簡明)
機動の概念が発明されてから100年、機動は今なお軍事学上重要なファクターとして位置付けられている。
この原則における機動とは何を指すのか?
戦闘力を柔軟に運用し、敵を不利な立場に置け
狭義では、「機動とは、作戦または先頭において、敵に対して有利な体制をとるために部隊が移動すること」とされているが、戦いの原則では精神面の柔軟性まで言及している。
これは、攻勢第一主義や銃剣白兵突撃(スプラにおける沼凸)に対立する考え方で、持てる戦闘力の全てを目的・目標を達成するために注ぎ込めという思想である。
戦闘力は以下の8つの要素で成り立つとされる。
* 移動
* 作戦情報
* 火力
* 戦闘力維持
* ミッションコマンド
* 防護
* リーダーシップ
* インフォメーション
機動には戦闘力を攻勢する8要素全てのダイナミックかつ柔軟な適用が含まれる。
機動には柔軟な思考、柔軟な計画及び柔軟な作戦を要求される。
スプラトゥーンにおける機動の概念を再構築する
戦いの原則における機動を参照すると、ゲーム内表記における「機動性」パラメータは的を得ないものであることが伺える。
スプラトゥーンの機動性はブキパワーだけによって担保されるものではなく、プレイヤーの精神性や熟練度に及ぶものであると考えられる。
機動の概念を再構築するために、戦闘力の8つの要素について1項目ずつゲーム内容に照らし合わせて分解し、これらを柔軟に活用するとはどういうことなのかを理解する必要がある。
機動なんてなくても勝てればええんちゃうの?
それについての答えは、考察していくうちに導けるといいかなと思ってる。
でも自分は機動力のある戦い方(生き方)が好きなので、スプラトゥーンを通して、思想をまとめていきたい。
また次回へ。
参考文献
戦術の本質 戦いには不変の原理・原則がある (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 木元寛明
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/04/15
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